ジャケット・アートワークの魅力

CDショップやレコード店で、ジャケットのデザインだけを頼りにCDを選んだ経験ありますか。アーティストもジャンルも知らないけれど、「なんとなく気になる」「このデザイン、好きかも」と思って手に取ってみる。そんな買い方は「ジャケ買い」と呼ばれています。

音楽の聴き方がデジタル配信・サブスク中心になった今、ジャケットで選ぶ機会は減ったかもしれません。けれど、見た目から入る音楽との出会い方には、今も変わらないおもしろさがあります。思いがけない一枚に出会えたり、聴く前に想像がふくらんだり。ジャケットをきっかけに音楽を知る、そんな体験があります。

CDジャケットは「音の名刺」

ジャケットは、音楽の第一印象を決める大事な要素ではないでしょうか。どんなジャンルなのか、どんな世界観なのか、ジャケットを見るだけでおおよその雰囲気が伝わってきます。まるで音楽の“名刺”のような存在です。

たとえば、音楽なら地獄や悪魔をモチーフにしたイラストならメタル・ハードコア系の、シンプルなグラフィックに控えめなタイポグラフィなら、ミニマルで洗練された音が流れてきそうだし、鮮やかな色づかいや手描きのイラストからは、自由で遊び心のあるサウンドを想像できます。写真の質感ひとつでも、アーティストのスタイルが伝わってくることもあります。

ジャケットデザインは、アーティスト本人やデザイナーの感性、レーベルの方向性が表現される場所でもあります。音楽に込められたメッセージや背景を、ビジュアルでどう見せるか。そこに時間と手間をかけている作品ほど、ジャケットだけでも十分に伝わってきます。

もちろん、見た目だけで音楽を判断するのは早とちりかもしれません。でも、入り口としては十分すぎるほどの情報と魅力が詰まっています。それが、CDジャケットという存在です。

思わず手に取りたくなる、名作ジャケットたち

ジャケットで惹かれて、思わずCDを買ってしまう――そんな体験をした人は少なくないはずです。ここでは、アートワークとしても評価が高く、ジャケ買いの入り口になりやすい作品をいくつか紹介したいと思います。

The Dark Side of the Moon / Pink Floyd

In the Court of the Crimson King / King Crimson

Nevermind / NIRVANA

Purple Rain / Prince

ジャケット・アートワークの魅力をチェックした方にはこちらもお勧めです。